シンガポールでイスラム文化に触れてみよう

壮麗なモスク、女性の鮮やかなヒジャブ、おいしい中東料理…シンガポールで気軽にイスラム文化を体験することができます!

こんにちは、シンガポールナビです。多民族国家のシンガポールには、マレー系をはじめとするイスラム教徒の人々が大勢住んでいます。モスクの荘厳な空気や、ヒジャブを被った女性たちのファッション、深い味わいの中東の料理など、エキゾチックな魅力がいっぱい。日本ではなじみの少ないこれらの文化に、気軽に触れられるのはシンガポールならでは。ぜひ体験してみてください!

サルタン・モスクでムスリムの祈りの心に触れる

◆見学時間帯と服装に注意!
シンガポールのイスラム文化の本拠地といえば、何と言ってもブギス&アラブストリート。その中心にあるのが、ブッソーラ・ストリートのスルタン・モスクです。シンガポールで最も古く、最も大きいイスラム寺院で、金色のドーム屋根を戴く姿は優美そのもの。礼拝堂ではイスラム教徒の人々が、いつ訪れても敬虔な祈りを捧げています。
一般の見学者も、1階の回廊から礼拝堂を見学することができます。が、見学時間には要注意! 1日5階の礼拝の時間には、中に入ることができません。見学の際には、靴を脱いで堂内に入ります。また、ショートパンツやノースリーブで堂内に入るのは厳禁。肌の露出を覆うことができる、大判のショールがあると便利です。
見学時間: 9:00-12:00 14:00-16:00(金曜は14:30-16:00)
ブッソーラ・ストリートから望む姿

ブッソーラ・ストリートから望む姿

モスク付近に並ぶ壁画

モスク付近に並ぶ壁画

夜景も美しいサルタン・モスク

夜景も美しいサルタン・モスク

◆礼拝堂の見方~モスクの特徴を知ろう
それではサルタン・モスクの中に入ってみましょう。モスクの語源はアラビア語の「マスジド」という言葉で、「ひれ伏す場所」という意味です。これを英語化した言葉が「モスク」です。
日本ではモスクを「寺院」と呼びますが、お寺や教会にあるような彫像や宗教画は、モスクの中にはありません。イスラム教徒の人々は1日5回、サウジアラビアにある聖地メッカの方向に向かって礼拝をします。この方向のことを「キブラ」と呼びます。
礼拝堂の正面の壁には、キブラを示す壁のくぼみ「ミフラーブ」が設置されています。ミフラーブの横には、手すりのついた階段「ミンバル」があり、金曜日には「イマーム」と呼ばれる礼拝の指導者たちがここで説教をします。サルタン・モスクのミフラーブとミンバルは、金色のつる草模様で装飾されており、たいへん優美です。
サルタン・モスクの礼拝堂

サルタン・モスクの礼拝堂

三日月と月はイスラム教の象徴

三日月と月はイスラム教の象徴

ひれ伏して祈ったり、瞑想する人々

ひれ伏して祈ったり、瞑想する人々

メッカの方向を示す壁のくぼみ「ミフラーブ」

メッカの方向を示す壁のくぼみ「ミフラーブ」

礼拝の指導者が説教する階段「ミンバル」

礼拝の指導者が説教する階段「ミンバル」

礼拝堂にはミフラーブに向かってひれ伏して祈りを捧げたり、静かに瞑想するイスラム教徒の人々がいます。観光客にも開かれているサルタン・モスクですが、信者の邪魔をしないように、くれぐれも気をつけましょうネ。

イスラム女性のファッション~東南アジアのムスリマはとっても華やか!

次はイスラム教の人々のファッションを見てみましょう。シンガポールのイスラム教徒の男性は、他の宗教の人々の服装とさほど変わりません。モスクに入るときは、頭の頂点を隠す白い帽子「ハッジ」を被ります。
女性はイスラム教の戒律に従って、手と顔以外の部分を布で覆っています。頭には髪の毛を隠すベールである「ヒジャブ」を被っているのが大きな特徴。中東の国々では、黒いヒジャブと、全身を隠す黒いガウン「アバヤ」を羽織りますが、シンガポールのイスラム女性はとってもカラフル! 鮮やかな色の長袖Tシャツに、細身のパンツを穿いて、Tシャツかパンツの色に合わせたヒジャブを巻いている人がほとんどです。色鮮やかなチュニックや、ゆったりしたロングのワンピースを着ている人もいます。
左はサルタン・モスク近く。右はオーチャード・ロードの<br>イスラム女性。オレンジ色の使い方が効いています。

左はサルタン・モスク近く。右はオーチャード・ロードの
イスラム女性。オレンジ色の使い方が効いています。

リトル・インディアのムスタファ・センター付近を歩く<br>イスラム女性たち。カラフルなヒジャブ使いに注目!

リトル・インディアのムスタファ・センター付近を歩く
イスラム女性たち。カラフルなヒジャブ使いに注目!

シンガポールのイスラム女性の、ヒジャブの巻き方にも注目です。2枚のヒジャブを組み合わせて巻いたり、すそからフリルを見せたり、首もとや肩をラインストーンのブローチで留めたり。ヒジャブを被ると耳が見えないのですが、耳が当たる部分の布に、光るピアスやイヤリングを垂らしている人もいます(下図参照)。
このヒジャブを留めるアクセサリー使いは、最近どんどん進化してきました。サルタン・モスクのボランティア・ガイドの方に、ヒジャブとアクセサリー使いの傾向について尋ねたところ、「あれは完全にファッションです。流行り出したのはここ数年のことです」と答えていました。女性は国境も民族も宗教も超えて、みんなオシャレが大好きなものですよね。
光るブローチでヒジャブをあちこち留めるのは最近の流行

光るブローチでヒジャブをあちこち留めるのは最近の流行

ヒジャブの売り場に並ぶ、様々な巻き方のマネキン頭部

ヒジャブの売り場に並ぶ、様々な巻き方のマネキン頭部

ヒジャブを手に入れよう

シンガポールのムスリマたちの華やかなヒジャブを見ていたら、女性の皆さんは、自分でも着用したくなってきませんか? ブギス&アラブストリート周辺のイスラム・ファッションのお店では、シンガポールならではのカラフルなヒジャブがたくさん売られています。スパンコールや刺繍が施されたヒジャブもいろいろ揃っており、とってもオシャレ。10S ドル以下のお手頃価格のものも並んでいます。モスク近くのゴールデン・ランドマーク・ショッピング・コンプレックスや、アラブ・ストリートに並ぶテキスタイルのお店で、気軽に手に取ることができます。
「どうやって巻けばいいのかわからない」という方も、心配ご無用。実はあらかじめ輪っかになっていて、穴からすっぽり顔を出すだけで、簡単に装着できるタイプのものが売られているのです。こんな着用の楽なヒジャブを一枚持っていると、他のイスラム圏の国を旅行するときにも使えますよ。シンガポールのモスクはもちろん、ドバイで、イスタンブールで、カサブランカで、「マイヒジャブ」を活用するのはいかが?
刺繍やスパンコールが付いたヒジャブが並んでいます。

刺繍やスパンコールが付いたヒジャブが並んでいます。

輪っかから頭を出してかぶるタイプの簡単ヒジャブ

輪っかから頭を出してかぶるタイプの簡単ヒジャブ

イスラム圏の国々のお料理を食べてみよう

世界中から多彩な国の人々が集まるシンガポールでは、イスラム圏の国の料理も気軽に味わえます。サルタン・モスクを正面に戴くブッソーラ・ストリートの周辺には、アラビア半島やトルコ、モロッコやエジプトなどのエキゾチックなレストランが並んでいます。オープンテラスの店が多く、サルタン・モスクの美しいドームを眺めながら、雰囲気満点のランチやディナーを楽しめるのが魅力。アラブやトルコ料理のケバブ、トルコ料理のピデ(トルコ風ピザ)、モロッコ料理のタジン鍋などは、日本人の味覚になじみます。
水タバコを提供しているレストランも多く、夕方以降は何人かでパイプを味わうグループの姿が目につきます。青りんごなどの甘い香りが初心者にはオススメ。オープンカフェでモロッコのミントティーや、トルコのチャイを味わうだけでも、雰囲気を満喫できます。なお、クラーク・キーやロバートソン・キーにも、中東料理を楽しめるレストランがありますよ。
イスラム圏の料理の店が並ぶブッソーラ・ストリート

イスラム圏の料理の店が並ぶブッソーラ・ストリート

モロッコ料理のタジン鍋。奥深い味わいです。

モロッコ料理のタジン鍋。奥深い味わいです。

夕食で賑わうブッソーラ・ストリート

夕食で賑わうブッソーラ・ストリート

お肉がやわらかいラム・ケバブ

お肉がやわらかいラム・ケバブ

トルコ料理店の鮮やかな内装

トルコ料理店の鮮やかな内装


多民族国家のシンガポールでは、国の一部であるイスラム文化。いろいろな形で気軽に触れることによって、遠く感じていたイスラム圏の風習が、身近になってきます。シンガポールを訪れる際には、ぜひイスラム文化に注目してみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-02-19

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