ナショナルオーキッドガーデンでシンガポールの宝ランの花を見よう!

シンガポールが誇る世界最大規模のラン園。鮮やかな花色が南国気分を盛り上げます!

こんにちは、シンガポールナビです。今日はシンガポール有数の観光名所、ボタニック・ガーデンの中にある「ナショナル・オーキッド・ガーデン」の散策の様子についてご紹介しましょう。ボタニック・ガーデン内で唯一の有料施設ですが、入場料5 Sドルなんてむしろ安すぎるくらいの美しさ。見どころを余すところなくご堪能ください。

ナショナル・オーキッド・ガーデンへ。入り口で園内マップをゲット。

ナショナル・オーキッド・ガーデンは、ボタニック・ガーデンの中央、北東部にあります。オーチャード・ロード側のタングリン・ゲートからは徒歩約10分。オーキッド・ガーデンの入り口は、南国風のオープンハウスになっています。チケットカウンターには日本語の園内マップも用意されているので、確保しておきましょう。マップで順路をチェックしたら、シンガポールが誇るランの園へ出発!
オーキッド・ガーデンの入り口

オーキッド・ガーデンの入り口

チケットカウンター

チケットカウンター

ゲートをくぐって園内へ。

ゲートをくぐって園内へ。

園内マップ。日本語版もあります。

園内マップ。日本語版もあります。

詳しく順路が書かれているマップ

詳しく順路が書かれているマップ

園内にも随所に案内板があります。

園内にも随所に案内板があります。

フォト・スポットで記念撮影をしよう

「ナショナル・オーキッド・ガーデン」は3haの敷地を持つ、世界最大規模のラン園。1000種類を越える原種と2000種以上の交配種からなる、約6万株のランが鮮やかに咲き誇っています。入場ゲートをくぐると、まず目に入るのは、華やかなランに囲まれた「鶴の噴水」。人気の撮影スポットのため、いつも観光客に取り囲まれています。右手の順路を歩いて行くと、その先にも次々に記念写真を撮るのに最適な場所が。ランに囲まれた人物像を撮影できるコーナーには、「フォト・スポット」という看板が立っています。ここで写真を撮れば誰もがアイドルのよう!?是非チェックしてくださいね。
入場ゲートの前にある鶴の噴水。記念撮影に最適。

入場ゲートの前にある鶴の噴水。記念撮影に最適。

かわいい看板がある「フォトスポット」

かわいい看板がある「フォトスポット」

ボタニック・ガーデンが生んだ黄色いランと華麗なアーチ

入り口右手の順路をそのまま進むと、黄色いランのアーチが幾重にも連なったトンネルが現れます。愛らしい小花が無数に重なるこのランの名前は「オンシジウム・ゴールデンシャワー」。ここボタニック・ガーデンで1939年に作られた交配種で、今では世界中に輸出される人気のランとなっています。ひとつひとつの花をよく見ると、黄色いドレスを着た踊り子のような形。「ダンシング・レディ」という別名もあるほどです。シンガポールで生み出された宝のランのアーチ、花の細部にまで目を留めながらお通りください。
黄色いオンシジウムのアーチが連なるトンネル

黄色いオンシジウムのアーチが連なるトンネル

スカートを広げた踊り子が戯れているような花

スカートを広げた踊り子が戯れているような花

デンファレが並ぶ小道

熱帯の木々が生い茂る順路を歩いていくと、道の脇に次から次に華麗なランの一群が現れます。中でも多いのがデンファレ系のラン。ラン科の中でも殊に多くの種を持つ「デンドロビウム属」のうち、「ファレノプシス(胡蝶蘭)」に似た花を付けるグループで、略してデンファレと呼んでいます。その名が表すとおり蝶を思わせる華やかな形で、花持ちがすばらしく良いのが特徴。年間を通して高温多湿の環境で咲くため、シンガポールをはじめとする東南アジア諸国で盛んに栽培されています。シンガポールの切花輸出の中でも重要な位置を占めるデンファレは、これまた国の宝なのです。
熱帯雨林に映える鮮やかなデンファレ

熱帯雨林に映える鮮やかなデンファレ

デンファレの咲き揃う園内の小道

デンファレの咲き揃う園内の小道

まるでツートンカラーの蝶のような形

まるでツートンカラーの蝶のような形

印象的な色形のデンドロビウム・ギューラホーン

印象的な色形のデンドロビウム・ギューラホーン

高貴な印象を与える白いデンファレの一群

高貴な印象を与える白いデンファレの一群

見られるかどうかはお楽しみ。ランの女王カトレアと、世界最大のラン・タイガーオーキッド

順路を北側に進んでいくと、ゴツゴツした木の上にカトレアが咲いている一角があります。ランの女王ともいわれるカトレアは、そのほとんどが樹上に根を張って花を咲かせる「着生ラン」。フリルのような花びらを持つ艶麗なカトレアが熱帯の逞しい木の上に咲き誇る様子は、何とも印象的です。時期によって咲いていないこともありますが、通りかかったらチェックしてみてください。
また、さらにその先を進むと「タイガーオーキッドの噴水」があります。噴水の上で青々とした葉を茂らせているのは、世界最大のランといわれるタイガーオーキッド。株の丈が7mを越すほどの高さになり、黄色と焦げ茶色のトラのような配色の花を咲かせます。開花期は9月~11月と限られていますが、この時期に訪れたなら超ラッキー。しっかり目に焼き付けてくださいね。
木の上で艶やかな姿を見せる交配種のカトレア

木の上で艶やかな姿を見せる交配種のカトレア

噴水の上のタイガーオーキッド。花は咲いていませんが…

噴水の上のタイガーオーキッド。花は咲いていませんが…

バーキルホールとVIPオーキッド・ガーデン

順路をさらに北へ歩くと、瀟洒な建物「バーキルホール」があります。もともとは植物園長の住宅でしたが、現在はVIPが訪れた際などに利用するイベントホールになっています。天井のファンが涼しいホールの中には、オーキッド・ガーデンの沿革やランの種類、交配種の栽培について解説するボードが展示されています。さらに、ここを訪れた世界のVIPとその名前を付けた新種のランについても解説があり、ホールを出たところにある「VIPオーキッド・ガーデン」でその実物を見ることができます。日本の天皇陛下の名前を持つ「Renanthera Akihito」という深紅のランや、雅子様の名前がつけられた「Masako Koutaishi hidenka」という白いランもありますよ。英国のエリザベス女王の名を持つ黄色いランや、サッチャー元首相のピンク色のランなど、ここを回るだけでVIP世界一周! 時期によって見られる花が変わりますが、じっくり探してみてください。
バーキルホール。室内には解説ボードが並んでいます。

バーキルホール。室内には解説ボードが並んでいます。

天皇陛下と英国のエリザベス女王のランを解説するボード

天皇陛下と英国のエリザベス女王のランを解説するボード

VIPオーキッド・ガーデンの小道

VIPオーキッド・ガーデンの小道

英国のサッチャー元首相のラン

英国のサッチャー元首相のラン

カナダのクレティエン元首相のラン

カナダのクレティエン元首相のラン

天皇陛下の深紅のラン「Renanthera Akihito」

天皇陛下の深紅のラン「Renanthera Akihito」

雅子様の可憐なラン「Masako Koutaishi hidenka」

雅子様の可憐なラン「Masako Koutaishi hidenka」

シンガポールの国花「バンダ・ミス・ジョアキム」

バーキルホールの側にはあずまやがあり、その横にはシンガポールの国花「バンダ・ミス・ジョアキム」が咲くコーナーがあります。藤色の花弁にビビッドピンクのリップが鮮やかなこのランは、「バンダ・ホケリアナ」と「バンダ・テレス」という二種類の蘭が自然交配して生まれたもの。1893年、アグネス・ジョアキムという女性の庭で発見されたことから、この名前が付けられました。この一角は、シンガポールを訪れた記念に写真撮影をするお客さんでいつもにぎやか。まさにシンガポールの宝のランです。
あずまやの隣にあるバンダ・ミス・ジョアキムのコーナー

あずまやの隣にあるバンダ・ミス・ジョアキムのコーナー

薄紫色の花弁にビビッドピンクのリップが映えています。

薄紫色の花弁にビビッドピンクのリップが映えています。

原種のランの美しさを楽しむオーキダリウム

バンダ・ミス・ジョアキムのコーナーの先には、「オーキダリウム」という原種のランが咲き揃うエリアがあります。交配種の大輪のランとは違い、花そのものは小さいものが多いのですが、繊細な美しさで見る者を魅了します。白い花弁に濃いピンクのリップが印象的なアルンディナ・グラミニフォリアや、タイ周辺に自生し、黄色い卵のようなリップが愛らしいデンドロビウム・シルシフローラムなど、可憐な花が勢揃い。ひっそりしたたたずまいの花が多いので、見落とさないようにしてくださいね。
アルンディナ・グラミニフォリア

アルンディナ・グラミニフォリア

デンドロビウム・シルシフローラム

デンドロビウム・シルシフローラム

繊細な美しさの原種のラン

繊細な美しさの原種のラン

大輪のショウガの花、トーチ・ジンジャーを探そう

ナショナル・オーキッド・ガーデンでは、ラン以外の珍しい花を見ることもできます。オーキダリウムをひとめぐりすると、植え込みの樹木の間に、赤い巨大な球状の花が目を引く場所があります。この花の名前はトーチ・ジンジャー。その名のとおり、燃え立つ松明のような色形が独特の、マレーシアからインドネシア原産の花です。ボタニック・ガーデンのシンボル的な花で、これをモチーフにしたグッズも売られているほど。トーチ・ジンジャーはショウガ科ニコライア属の植物なのですが、ナショナル・オーキッド・ガーデンの隣りのジンジャー・ガーデンでは、なぜかあまり姿を見ることはありません。しかしオーキッド・ガーデンのこの場所では、かなりの高確率でその珍しい花を見ることができるのです。オーキダリウムを回りながら是非確認してみて!
植え込みの樹木の間に咲くトーチ・ジンジャー

植え込みの樹木の間に咲くトーチ・ジンジャー

その名のとおり、燃え立つ松明のような巨大な赤い花

その名のとおり、燃え立つ松明のような巨大な赤い花

タン・フーン・シアン・ミストハウス

順路を北側へ進むと、「タン・フーン・シアン・ミストハウス」があります。ここは高湿度を好むランや、珍しいランのコレクションが集められているコーナー。特に、多彩な色の胡蝶蘭が人気です。東南アジアの石像などが、内部にさりげなく置かれているのもよい演出になっています。このミストハウスには、鮮やかな「バンダ属」のランも多数展示され、中でも目立つのは「バンダ・パクチョンブルー」。ランには珍しい、青い花弁を持つ「バンダ・コエルレア」の交配種で、くっきりした青紫色の網目模様が鮮烈です。他にもハウス内には艶やかなカトレアなどが並んでおり、撮影し甲斐のあるコーナーですが、内部は常に水滴が落ちてくる状態。カメラには十分ご注意を。
ミストハウスの入り口

ミストハウスの入り口

ドリテノプシス・KV・ビューティー

ドリテノプシス・KV・ビューティー

東南アジアの石像が置かれています。

東南アジアの石像が置かれています。

色鮮やかなバンダ属のラン

色鮮やかなバンダ属のラン

バンダ・パクチョンブルー

バンダ・パクチョンブルー

艶やかなカトレアも並んでいます。

艶やかなカトレアも並んでいます。

おいしそうなものからカラフルなものまで、パイナップル目の植物のコレクション

タン・フーン・シアン・ミストハウスを出ると、パイナップル目の植物が集められている「ユエン・ペン・マクニース・ブロムリアド・コレクション」の施設があります。アメリカ大陸の熱帯・亜熱帯地域が原産のパイナップルは、もちろんさわやかな甘さの果物が有名。ここでもおいしそうな果実が、尖った葉の間から顔を見せています。また、パイナップル科の植物の中には葉が美しいものがあり、高級観葉植物としても栽培されています。一見、花のように見える花苞(実際は葉が変化したもの)は、赤や黄色や紫などさまざまな色があり、ランにも劣らない鮮やかさ。南国ムードの漂う、一味違うコレクションをお楽しみください。
パイナップル目の植物が集まる施設

パイナップル目の植物が集まる施設

小川が流れる施設内部

小川が流れる施設内部

鮮やかな赤色は葉が変化したもの

鮮やかな赤色は葉が変化したもの

尖った葉の間から顔を見せているパイナップル

尖った葉の間から顔を見せているパイナップル

鮮やかな色が印象的な「ブロメリア」

鮮やかな色が印象的な「ブロメリア」

クールハウスで涼みながら高地のランを見よう

ユエン・ペン・マクニース・ブロムリアド・コレクションを出ると、熱帯雨林の間にボードウォークが伸びています。その先へ進むと、標高の高い寒冷な森を再現した「クールハウス」があります。人口の滝まで流れるハウスの内部は、すごく涼しい! 暑い中でオーキッド・ガーデンを歩き回ってきた身には、まるで天国のように感じられます。高地に咲くランは複雑な配色と形のものが多く、「パフィオペディラム・ローウィー」は袋状の大きなリップが特徴。その独特の形から、別名「女神のスリッパ」とも呼ばれています。ハウス内には、食虫植物として有名なウツボカズラもたくさん生えていて、細長いツボのような姿を見せています。この植物は、ボルネオ島のキナバル山などを中心に生育しているそうですよ。
クールハウスへの長いボードウォーク

クールハウスへの長いボードウォーク

ひんやりした空気のクールハウス

ひんやりした空気のクールハウス

標高の高い寒冷地に咲く小さなラン

標高の高い寒冷地に咲く小さなラン

袋状のリップを持つパフィオペディラム・ローウィー

袋状のリップを持つパフィオペディラム・ローウィー

ハウス内のあちこちに生えているウツボカズラ

ハウス内のあちこちに生えているウツボカズラ

ランを象ったおみやげをゲット

クールハウスを見た後は、順路を通って出口へ。入り口と隣接した出口のゲートをくぐると、そこはギフトショップになっています。ランをモチーフとした商品の数々が並んでいますので、ナショナル・オーキッド・ガーデンのおみやげが欲しい人はここで購入しましょう。ランの生花を閉じ込めたペーパーウェイトやアクセサリーなど、華やかな商品が揃っています。
出口の向こうはギフトショップ

出口の向こうはギフトショップ

ランの生花を閉じ込めた置物

ランの生花を閉じ込めた置物

ランをモチーフにしたアクセサリー

ランをモチーフにしたアクセサリー


美しいランと珍しい植物でいっぱいのナショナル・オーキッド・ガーデンを回るには、最低でも一時間は必要です。ぜひゆっくり時間を取って、お気に入りの花をみつけてくださいね。シンガポールの屋外は暑いので、日傘やペットボトルの飲み物もお忘れなく。以上、シンガポールナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-07-01

ページTOPへ▲

関連記事

ボタニック・ガーデン

ボタニック・ガーデン

鮮やかな熱帯植物でいっぱいの、広大な国立植物園。世界最大級のラン園「ナショナル・オーキッド・ガーデン」は必見!

その他の記事を見る