常夏の国のファッションはいつも華やか。国際都市シンガポールの、バラエティに富んだファッションに注目!
こんにちは、シンガポールナビです。常夏の島国のシンガポールは、開放的でカラフルなファッションが魅力。華人系、マレー系、インド系の女性がそれぞれのルーツを背景にした衣服を身にまとっていて、とても華やかです。今日はそんな彼女たちのファッションや、着用しているものが手に入る場所について、詳しくご紹介します。
インド系女性のファッション
旅行者がシンガポールの市中を歩いて、まずファッションで目を惹かれるのは、インド系女性の装いではないでしょうか。インド系の人々はシンガポール国民の9%に当たりますが、そのファッションの華やかさでは圧倒的な存在感を示しています。
インド女性というとサリーのイメージが強いですが、シンガポールのインド系女性たちが主に着用しているのは「パンジャビ・ドレス」という民族衣装。これは、
◆トップス(カミーズ)
◆パンツ(サルワール)
◆ショール(ドゥパタ)
の3点がセットになったもので、インドのパンジャーブ州で着用された衣服に由来します。もともとは未婚の女性が着る服とされていましたが、機能的でゆったりしたスタイルが好まれて、今ではあらゆる世代のインド系女性が着ています。シンガポールでの都市生活にはぴったりなスタイルかも知れません。
パンジャビ・ドレスはパンツ(サルワール)とショール(ドゥパタ)を同じ色にして、別の色のトップス(カミーズ)を組み合わせて着るのが一般的です。この色の取り合わせがなんとも絶妙で、素敵な衣装の人をつい振り返ってしまうことも少なくありません。正反対の色を組み合わせたり、近似色でまとめたり、無地と柄物を合わせてみたり。また、インド系女性は常に大振りのピアスや指輪や金の腕輪を身につけています。これらに付いている色石やビーズも、パンジャビ・ドレスの色から取られていることがほとんどです。その色合わせのすばらしさは一見の価値あり。ぜひチェックしてみてください。
鮮やかなパンジャビ・ドレスで歩くインド系女性たち。 中央の女性の深いピンクと山吹色の取り合わせが鮮やか。
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金色の柄が印象的なパンジャビ・ドレスの女性たち。 金のアクセサリーも映えています。
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パンジャビ・ドレスはどこで入手できるの?
インド系女性の華やかなパンジャビ・ドレスを見ていると、自分でも着たくなってきませんか? リトル・インディアに足を運ぶと、それはそれはたくさんのサリーやパンジャビ・ドレスのお店が軒を連ねています。オーダーメイドのパンジャビ・ドレスを作る時間がない旅行者に、便利なのはテッカ・センターやムスタファ・センターの衣料品コーナー。色鮮やかなパンジャビ・ドレスが、豊富に並んでいます。ムスタファ・センターの婦人服の試着室は、ひとり3点まで衣服の持ち込みが可能なので、気に入ったものは着てみましょう。旅の記念になる、お気に入りのパンジャビ・ドレスに出会えるかも!
リトル・インディアでは、インド系女性が身につけている大振りのアクセサリーも、豪華なものからお手頃価格のものまでいろいろ手に入ります。パンジャビ・ドレスの色に合ったものを選んでみて。
マレー系女性のファッション
インド系女性と同じくらい目を惹くのは、マレー系女性のファッション。マレー系の人々はシンガポール国民の14%に当たりますが、そのうち多数の人々がイスラム教徒であるため、女性は戒律に従って手と顔以外の部分を布で覆っています。マレー系女性は髪の毛を隠すベールである「ヒジャブ」を被って、長袖のゆったりした上衣と、同じくゆったりしたパンツを身に着けます。若い女性は長袖Tシャツの上に半袖のプルオーバーを着て、ぴったりしたジーンズを穿いている人が一般的。多くのマレー系女性がヒジャブと長袖Tシャツの色を合わせていて、とてもおしゃれです。ヒジャブには日除けが付いたものや、刺繍やスパンコールで彩られたものなど、多彩なタイプのものがあります。
さらに、マレー系女性のヒジャブの巻き方のバリエーションの豊富さには、目を見張ります。首もとや肩を光るラインストーンのブローチで留めたり、プリーツを作って頭の片側でまとめたり、2枚のヒジャブを組み合わせて巻いたり。量感のたっぷりしたヒジャブを、服の色にあわせてまとっている彼女たちは、まるで童話の中に出てくるお姫様みたい。彼女たちにとってヒジャブは、決して宗教上の制約ではなく、華やかさを演出してくれる重要なファッション・アイテムのようです。
ブッソーラ・ストリートを歩くマレー系女性たち。 左の人はヒジャブとパンツを臙脂色で合わせています。
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右側は若いマレー系女性たちのファッション。 紺色のヒジャブと、ぴったりしたジーンズの色がぴったり。
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ヒジャブやそれを留めるブローチを手に入れてみよう
凝った刺繍やビーズがついたマレー系女性のヒジャブは、日常的にショールとして使ってもおしゃれで良さそう。ひとつ手に入れてみたくなったら、ブギス&アラブ・ストリートへ行ってみましょう。サルタン・モスクにほど近いゴールデン・ランドマーク・ショッピング・コンプレックスや、アラブ・ストリートのお店には、すてきなヒジャブがたくさん並んでいます。
また、ヒジャブを留めるラインストーンのブローチは、シンガポールの至るところに支店があるアクセサリー店「Chomel(チョメル)」などで手に入ります。アイオン・オーチャードの地下2階や313@サマセットの地下2階にあるチョメルでは、マレー系女性がヒジャブを巻きながら、ブローチの組み合わせを試している姿をしばしば見かけます。彼女たちのセンスに注目してみて。
華人系女性のファッション
シンガポール国民の75%を占めているのが華人系の人々。華人系女性のファッションは、私たち日本人のファッションに最も近いといえますが、常夏の国シンガポールならでははっきりした特徴があります。カジュアルな場面での、華人系女性によく見られるファッションの特徴は、以下のようなものです。
◆ショートパンツ、ミニスカート率が高い。脚が長く、細い人が多いのでよく似合います。
◆明るい原色やパステルカラーの服が多い。
◆髪型はストレート・ロングが圧倒的。
◆足元はビーチサンダル率が高い。ペディキュアは濃い色。
◆ブランド品所持率も高い。
開放的な南国らしく、街ではパステルカラーのトップスにショートパンツを穿いた華人系女性が至るところで見られます。シンガポール市中に多く存在する、パステルカラーのショップハウス(プラナカン様式の建物)を、彷彿とさせる色合いです。足元を見ると、ビーチサンダル率が圧倒的。きらきら光るラインストーンのついた、トングサンダルも人気です。一年中暑いお国柄、歩きやすくて涼しいこれらのタイプの靴が主流を占めるのは必然ですね。逆に10cmはあろうかというハイヒールのサンダルを履く女性も多く、ヒールの高さは二極化されている感じです。
またショッピング天国として知られるシンガポールだけあって、シャネルやルイ・ヴィトンなどのブランド品のバッグを持った人もあちこちで見かけます。特におしゃれに敏感な華人系女性の、新作バッグの所持率はすごい! シンガポーリアンの豊かな経済力がうかがえます。
華人系女性はショートパンツにビーチサンダルが基本。 脚が細くて長いので、よく似合います。
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左の女性たちのような「素足に厚底靴」も流行っています。 右の女性のようにルイ・ヴィトンは日本と同じく人気。
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南国ならではのファッショングッズはここで買う!
華人系女性がよく着るパステルカラーのトップスやショートパンツは、市中に並ぶショッピング・モールで数多く売られています。香港ブランドの「エスプリ」や「ジョルダーノ」、「G2000」などが幅広い色の展開で人気を博しています。シンガポールのデザイナーのブランドでは、お手頃価格でエレガントな「Fond」などが人気です。
シンガポーリアン御用達のビーチサンダルは、市中の至るところで手に入ります。ラインストーンのついたトングサンダルは、高島屋SC1階の靴売り場が特に充実。らくちんでありながら華やかなこのタイプのサンダルは、旅行中に観光地を歩く際にも便利です。
多民族国家の多様性と、南国の開放的な空気を反映した、シンガポール女性のファッション。ご旅行の際には観光と同時に、おしゃれな彼女たちの服装にもぜひ着目してみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-10-17