シンガポールが誇る美しい植物園。広ーい園内を効率よく歩くには?
こんにちは、シンガポールナビです。今日はシンガポールが世界に誇る植物園「ボタニック・ガーデン」を歩いてみましょう。熱帯の花々と樹木であふれる植物園は、なんと東京ディズニーランドとほぼ同じ広さ! 限られた時間で見どころを押さえるために、効率よく歩く必要があります。
1.まず地図を確保!ビジターサービス・デスクへ
ボタニック・ガーデンを散策するのに適した時間は午前中。赤道直下のシンガポールは年中蒸し暑いので、屋外の観光名所は朝のさわやかな時間から歩きはじめるとグーです。
ボタニック・ガーデンの南端に位置する入口「タングリン・ゲート」をくぐると、青々と茂る木々と熱帯の鮮やかな花が迎えてくれます。手際よく回るために、まずは地図を確保しに行きましょう。緑色の案内表示(日本語表記あり)を見ながら右に向って歩くと、「ボタニー・センター」があります。ここには「ビジターサービス・デスク」があり、ボタニック・ガーデンの全体地図や、ナショナル・オーキッド・ガーデン、レイン・フォレスト・トレイル、エボリューション・ガーデンなどのリーフレットが用意されています。どれも解説が詳細で参考になります。園内の全体地図で大体の方向を把握したら、いよいよ出発です!
2.スワン・レイクを眺めながらジンジャーガーデンへ
最初に目指すのは、園内の西部にある「ジンジャー・ガーデン」。タングリン・ゲートから左手に伸びる「タングリン・ゲート・ロード」を道なりに進むと、左手に大きな池が見えてきます。「スワン・レイク」と名付けられたこの池の真ん中には三羽の白鳥のブロンズ像が。周囲には熱帯の鮮やかな花が咲き誇り、優雅な散策を楽しめます。右手の広々とした芝生の上には、土日ともなるとピクニックを楽しむ家族づれがいっぱい。これらを見ながら進むと右手に滝が現れ、ジンジャー・ガーデンにたどり着きます。
また少々遠回りになりますが、園内の中央に伸びる道を歩いてジンジャー・ガーデンへ向かうこともできます。このルートでは小川が流れる木陰の風景を楽しんだり、白いあずまや「バンドスタンド」が、一年中黄色い葉をつけた「イエローレインツリー」に囲まれている光景などを見ることができます。
スワン・レイクの白鳥の彫像
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広々した芝生の上は憩いの場
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小川が流れる園内
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バンドスタンドと常に黄色い木々
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ジンジャー・ガーデンは世界の熱帯地方に分布するショウガが集められた、興味深いスペースです。ふだんは何気なく口にしているショウガ類ですが、あらためてその花を見てみると、その鮮やかさや独特の形にビックリ! 散策コースには1000種類以上のジンジャーが集められています。7~8月が花を見るベストシーズンとされていますが、いつ訪れても何種類かの美しい色の花が咲いているので、ご安心ください。
ジンジャー・ガーデンの看板
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人口の滝の音が涼しげ
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鮮やかな赤いジンジャーの花
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鎧のような花の形が面白い
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3.最大の見どころナショナル・オーキッド・ガーデンを満喫
ジンジャー・ガーデンを通り抜けるとオーキッド・プラザという名前の広場に出ます。その西側、正面に建っているのが園内いちばんの見どころ「ナショナル・オーキッド・ガーデン」のエントランス。ここでチケット(大人5 Sドル)を購入して、早速中に入ってみましょう。園内で唯一の有料施設ですが、お金を払う価値は十分にあります! チケットカウンターには日本語版のリーフレットも用意されているのでもらっておきましょう。
ナショナル・オーキッド・ガーデンは世界最大級のラン園で、1000種を越える原種と2000種類以上の交配種からなる、約6万株のランが咲き誇っています。鮮やかなランは写真映えがするため、園内には花にデジカメを向ける人がいっぱい。人物を入れての記念撮影に最適な場所には「フォト・スポット」という看板が立っているので、見逃さないでくださいね。
ラン園の奥には「VIPオーキッド・ガーデン」という、世界中からここを訪れたVIPの名前を冠したランのコーナーがあります。日本の天皇陛下の名前を持つ「Renanthera Akihito」という真っ赤なランや、雅子様の名前がつけられた「Masako Koutaishi hidenka」という白いランもあります。ぜひ探してみてください。
噴水の前は人気の記念撮影スポット
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「フォト・スポット」の看板が可愛い
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天皇陛下のラン「Renanthera Akihito」
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雅子様のラン「Masako Koutaishi hidenka」
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VIPオーキッド・ガーデンの付近にある「オーキダリウム」というコーナーには、たくさんの原種のランが咲いています。交配種の大輪のランとは違って花そのものは小さい物が多いのですが、繊細な美しさに引き込まれます。
オーキダリウムのそばにはシンガポールの国花「バンダ・ミス・ジョアキム」が咲き揃ったスペースがあります。藤色の花弁にビビッドピンクのリップがはっとするほど鮮やか。シンガポールに来た記念に、一緒に記念撮影してはいかがでしょう。
原種のラン「アルンディナ・グラミニフォリア」
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シンガポールの国花「バンダ・ミス・ジョアキム」
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ラン園の右手奥には「タン・フーン・シアン・ミストハウス」があります。ここには高湿度を好むランが集められており、特に多彩な色の胡蝶蘭がたくさん咲いています。丸っこい花姿が何ともカワイイ! ただし、ミストハウスの中はいつも水滴が落ちてくる状態ですので、カメラに気を付けてくださいね。
ミストハウスの奥へのルートを進むと、標高の高い森に咲くランを集めた「クールハウス」があります。この中はたいへん涼しいため、暑い中植物園を歩き回った身には、まるで天国のよう! 人工の滝のそばに咲く可憐なランの他に、ウツボカズラなどの、低温多湿を好む珍しい植物も植えられています。
ミストハウスの鮮やかなラン
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高湿度の場所を好む胡蝶蘭
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涼しい! クールハウスの内部
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低温地帯に咲く小さなラン
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ナショナル・オーキッド・ガーデンの出口にはギフトショップがあります。ランをモチーフとした商品が並んでいますので、おみやげが欲しい人はここで購入しておくと良いでしょう。Tシャツやアクセサリー、ランの生花を閉じ込めたペーパーウェイトまで、いろいろ揃っています。
オーキッド・ガーデンの出口はギフトショップへ直結
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ギフトショップに並ぶランのおみやげ
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4.ガーデンレストランで素敵なランチを
ここまでにだいぶ歩き回って疲れたことでしょう。オシャレなガーデンレストランで、そろそろランチはいかが?
ナショナル・オーキッド・ガーデンの左手にあるレストラン「ハリア」では、美しい緑を眺めながらランチを食べることができます。週末の土日と祝日の午前9:00から12:00までブランチメニューも用意されていて、これを早お昼として食べるのもグー。スイートコーン・パンケーキやスペイン風オムレツなど、ランチとして食べても十分なボリュームです。
ジンジャー・ガーデンの敷地にあるレストランらしく、お店の名前「ハリア」は、実はマレー語でショウガの意味。そしてここの名物は、ジンジャーとハチミツの特製ジュースです。ジンジャーの辛みとハチミツの甘みがマッチした不思議な味なので、ぜひトライしてみて!
光が溢れる「ハリア」の店内
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絶品・スペイン風オムレツ
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5.レイン・フォレスト・トレイルで熱帯雨林のナゾを探ろう
ランチを食べた後でまだ余裕があったら、オーキッドプラザの東側にある「レイン・フォレスト・トレイル」を散策してみませんか。ここは原生の熱帯雨林が残されている貴重なエリアで、探検気分を味わいながら、珍しい樹木を見て歩くことができるのです。
ボードウォークの両脇には、見どころに1から10まで表示が付けられています。ビジターサービス・デスクで取ってきた「レイン・フォレスト・トレイル」のマップで数字を確認すると、樹木や草木の特徴が解説されています。
45mもの高さがあるフタバガキの木。通称「絞め殺しの木」と呼ばれるイチジクが、無数の気根で他の木をぐるりと取り囲む様子。マメ科の大木が、縄のような太いツルを伸ばして作った奇観。高さ3mを越える巨大なシダが葉を広げる様子。熱帯雨林は神秘的かつダイナミックな現象で溢れています。ここを散策すれば、超近代的なシンガポールが、実は赤道直下のジャングルを切り開いて作った国であることが、よくわかると思います。
レイン・フォレスト・トレイルの板張りの道
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通称「絞め殺しの木」と呼ばれるイチジクの気根
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マメ科の大木の太いツル。まるでオブジェのよう。
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高さ3mにも育つ巨大なシダの葉
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6.ひとめぐりで地球の生命の進化を体験! エボリューション・ガーデン
さらに時間があったら、園内中央部から少し北側にある「エボリューション・ガーデン」へ足を伸ばしてみましょう。地球が誕生した46億年前から始まって、バクテリアの出現した35億年前、陸上植物が出現した4億年前、地上がコケで覆われた3億8000万年前、シダ植物の出現、ソテツが爆発的に茂った2億4500万年~6500万年前の中生代・・・と、植物と巨石のディスプレイにより進化の過程を見せていくのです。実物の植物で追体験する地球の歴史は迫力満点。道に恐竜の足跡がさりげなく刻まれていたりする工夫も見ていて楽しいです。
エボリューション・ガーデン入口に立つ、木の化石
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中生代を再現した、ソテツの繁栄
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ボタニック・ガーデンの見どころを一通り歩いてみましたが、いかがでしたか?広大なこの植物園には他にも魅力的な花や樹木がいっぱい! 是非あなただけのお気に入りの植物を探してみてくださいね。その際には暑さ対策として、日傘とサングラスとペットボトルの飲み物を忘れずに。以上、シンガポールナビでした。
その他情報
土・日・祝日の9:00~12:00にはブランチメニュー
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-06-23