全長24メートルの鶴が踊る、迫力満点のショー。水の噴射で作る羽や花火が、夜空を華麗に彩ります。
こんにちは、シンガポールナビです。今日はセントーサ島で夜に上演される壮大なエンターテインメント、「クレーン・ダンス」をご紹介します。
2台のクレーン車を文字通り「鶴」に見立てて、お互いの出会いから飛翔までをダンスで表現するショーは、驚くほどダイナミック。鶴が踊る海上は噴水で彩られ、終盤には花火も打ち上げられて、常夏の野外ショーを華やかに彩ります。最新技術を駆使したアニマトロニクス(生物を模したロボット)の鶴たちは、まるでSFアニメから抜け出てきたよう。何と無料で見られるこのショーについて、見どころを詳しいお伝えします。
クレーン・ダンスはリゾート・ワールド・セントーサで上演。アクセスにはセントーサ・エクスプレスが便利。
クレーン・ダンスが上演される海上ステージは、セントーサ島の「リゾート・ワールド・セントーサ」のエリアにあります。セントーサ島へ行く方法はいくつかありますが、一番便利なアクセス手段は、「セントーサ・エクスプレス」というモノレールを利用すること。まずMRTのハーバーフロント駅へ行き、直結しているショッピング・センター「ビボ・シティ」の3階へ上がると、モノレールのセントーサ・ステーションがあります。ここから1駅目のウォーターフロント・ステーションまで乗車しましょう。
駅を降りると目の前に、リゾート・ワールド・セントーサの敷地が広がっています。クレーン・ダンスの案内表示にしたがって歩き、北側へ向かう運河の橋を渡ると、海に向かって開けた客席に到着します。徒歩5分ほどの距離です。
鶴型ロボット、海上に立つ! クレーン・ダンスの幕開け
クレーン・ダンスは月、金、土、日曜日および、祝日と祝前日の21時に上演されます。雛壇状の客席は自由席になっており、観覧料は無料ということもあって、早い時間からどんどんお客さんで埋まっていきます。特に休前日は、15分前には席を確保しておいた方が良いでしょう。
海上のステージが青いライトに浮かび上がり、噴水が湧き上がると同時に、ミステリアスな音楽が流れてショーが始まります。2羽の鶴は目や羽の部分を輝かせながら、折り畳んでいた体と長い脚を起こして、ゆっくりと立ち上がります(写真右)。闇の中に鶴の全身が現れると、その途方もない大きさにビックリ。鶴の全長は24メートル、ビルにすると10階建ての高さです。迫力!
青いライトに照らされて浮かび上がる海上のステージ
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立ち上がった鶴は迫力満点。高さは24メートル。
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ではこの先は、具体的に鶴たちのパフォーマンスを見ていきましょう。
2羽の鶴の出会いから飛翔まで・・・感情まで表現できるアニマトロニクスのダンスに驚嘆!
海上に見事に立ち上がった鶴型ロボットたちは、お互いの存在を確認し合います。胸の部分の巨大モニターには、鶴の骨格や心臓が映し出され、羽の動きや鶴の感情まで表現しているのです。目の部分のライトも、ぱっちり見開いたり半目になったりしながら、鶴の心の動きを映していきます。アニマトロニクスのすばらしい表現力に驚嘆!
鶴の羽は、大量の水の噴射とライトアップで、繊細かつダイナミックに表現されます。お互いの鶴が相手に羽を広げて見せる様子は、何とも微笑ましい光景です。
ライトで紫に彩られた美しい羽を見せつける右の鶴
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負けじと黄色い羽を見せる左の鶴。胸のモニターに注目!
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やがて左の鶴は、右の鶴に恋心を抱くようになります。胸の部分のモニターの中では、オペラピンクのハート=心臓が脈打ち、左の鶴の恋する気持ちを会場全体に伝えます。2羽の鶴が左右対称に向かい合う様子は、このショーの中でも印象的なシーンのひとつ。勢いよく吹き出す噴水で表された、鶴たちの羽の色が照明で変わる様子にも注目です。
向かい合う鶴たち。左の鶴のハートがトキメキを伝えます。
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鶴たちの羽の色はライトアップで変化していきます。
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2羽が一緒にダンスを踊るうちに、右の鶴は左の鶴の求愛に応えるようになります(写真右は求愛する鶴)。カップル誕生の瞬間に、2つのモニターにまたがって、一つの大きなハートが映し出される瞬間がお見事! 感情まで伝えるアニマトロニクスの、豊かな表現力に見入ってしまいます。
鶴の羽を形作る噴水はピンクの灯りでライトアップされ、つがいになった鶴たちのハッピーな雰囲気を盛り上げます。海上にもライトアップされた噴水が高く上がり、鶴たちの門出を祝福。2羽の鶴が長いくちばしを合わせてキスする瞬間は、客席から歓声が沸く人気ぶりです。
写真では判りにくいのでイラストで解説。 カップル誕生で、一つのハートが現れる瞬間です!
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長いくちばしを合わせてキスする鶴たち。 足元の噴水もカップル誕生を盛り上げます。
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つがいの鶴型ロボットがゆっくりと体の向きを変えると、2羽はなんと本物の白い翼を持った、生きた鶴になります。これは夜闇と一体になったモニターに、本物の鶴の体と翼を映すことによって生み出された視覚マジック。でも、目の前で起こる現象を見ていると、鶴型ロボットたちの愛が奇跡を生んだように見えてしまうのです。
モニターには野生の鶴の映像が映し出され、2羽の鶴はお互いのモニターを飛び越えて、右へ左へと自由に飛び回ります。生まれ変わった鶴たちの門出を、音楽と噴水がさらに盛り上げます。
白い翼を持つ、生きた鶴に変身!
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モニターの中を右に左に飛び回る鶴たち
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モニターの中で飛翔する鶴たちは、空を超え、宇宙までも飛んでいきます。モニターが光の乱舞に満たされると、巨大な鶴たちは長い首を客席側に倒して、翼をいっぱいに羽ばたかせていきます。噴水で作られた羽もダイナミックに上下して、躍動感たっぷり。力強い光景に、客席からは拍手や歓声が盛んに起こります。最後には海上に花火がバンバン打ち上げられて、昼間のようなまぶしさ。華麗な火花とともに、10分間の壮大なショーは幕を閉じます。
翼を羽ばたかせる鶴たち。上下する噴水の羽が迫力。
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ライトアップで刻々と色を変えていく鶴の飛翔
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技術とアートの限りを尽くしたショーのクレーン・ダンス。夜の海上は涼しい風が渡ってくるため、常夏のシンガポールを快適に楽しめるエンターテインメントです。ぜひセントーサ島に足を運んで、見に行ってみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。