世界最大の海洋水族館がセントーサ島に登場。幅36メートル、高さ8.3メートルのパノラマ水槽が圧巻!
こんにちは、シンガポールナビです。今日はセントーサ島に登場した世界最大級の海洋水族館、シー・アクアリウムをご紹介します。
2012年の年末、リゾートワールド・セントーサに、海の生物に親しむ総合施設「マリンライフ・パーク」がオープンしました。この施設は「水族館パート」と「遊園地パート」の二つに分かれており、水族館側を担うのが、このシー・アクアリウムです。南アジアからアラビア湾まで、エリア別に展示されている海洋生物たちは、800種類以上。最大の見せ場は、36メートルの大パノラマ水槽「オープン・オーシャン」です。この壮大な水族館の見逃せないポイントについて、詳しくお伝えします。
アクセスにはセントーサ・エクスプレスが便利。1駅目のウォーターフロント・ステーションで下車。
シー・アクアリウムがあるセントーサ島へ行く方法はいくつかありますが、一番便利なアクセス手段は、「セントーサ・エクスプレス」というモノレールを利用すること。まずMRTのハーバーフロント駅へ行き、直結しているショッピング・センター「ビボ・シティ」の3階へ上がると、モノレールのセントーサ・ステーションがあります。ここから1駅目のウォーターフロント・ステーションまで乗車しましょう。駅を降りると目の前にリゾート・ワールド・セントーサが広がっており、標識にしたがって歩くと、シー・アクアリウムは徒歩3分ほどのところにあります。
チケットはエントランスの外で購入。お得なセット券もあります。
チケットはエントランスの外、左側に設置されたブースで購入します。通常料金は大人29 Sドル、子供20 Sドル。シー・アクアリウムとともに「マリンライフ・パーク」の一翼を担う、遊園地「アドベンチャー・コーヴ・ウォーターパーク」(シー・アクアリウムから西へ300メートル)との共通券は、大人52 Sドル、子供36 Sドルです。アドベンチャー・コーヴの単独の料金は大人29 Sドル、子供20 Sドルなので、かなりお得になります。ユニバーサルスタジオ・シンガポールとの共通券もありますよ。シー・アクアリウムは広いので、館内マップをもらうこともお忘れなく。
まず「海のシルクロード」の歴史をめぐる、マリタイム・エクスペリエンシャル・ミュージアムへ
チケットを購入してエントランスをくぐると、1階は航海と交易の歴史をめぐる博物館、「マリタイム・エクスペリエンシャル・ミュージアム」になっています。実はシー・アクアリウムは、この博物館とセットになっているのです(ちなみに単独でチケットを購入することはできません)。
マリタイム・エクスペリエンシャル・ミュージアムの中には、8~9世紀頃から発達した、アジア・中東・ヨーロッパを結ぶ「海のシルクロード」について、その航路や各地で行われた交易の様子が展示されています。オマーン政府から寄贈されたというアラブのダウ船(写真右・交易に使われた木造帆船)などは、たいへんな迫力。360度マルチメディアで嵐の中の航海を再現した、タイフーン・シアターも注目です。
マリタイム・エクスペリエンシャル・ミュージアムをひととおり見たら、エスカレーターで地階に降りて、いよいよシー・アクアリウムへ入りましょう。カラフルな魚たちが左右と真上を泳ぐ、アクリル張りのトンネル水槽が出迎えてくれます。
ジャワ海とカリマタ海峡 ~難破船の中を泳ぐ魚たち
トンネル水槽が迎える第一のエリアでは、ジャワ海とカリマタ海峡の魚たちを展示しています。南シナ海からジャワ海を結ぶカリマタ海峡は、全長150km。この海峡を再現した水槽の中には、難破船のディスプレイが横たわり、その間をコバンアジやツバメコノシロや鮮やかな熱帯魚たちが泳ぎまわります。舞台装置のように凝った難破船と、その中を泳ぐ魚たちの生態をご覧ください。
トンネル水槽の中には難破船のディスプレイがあります。
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スズキやアジの仲間が悠々と泳いでいます。
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マラッカ海峡とアンダマン海 ~足元の熱帯魚からタッチプールまで
次に現れるのは、マラッカ海峡とアンダマン海のエリア。まず足元には、アンダマン海を再現したガラス張りの床が伸びています。足元を魚たちが横切っていく様子が楽しい! さらに進むと円筒型の大きな水槽があり、テーブル珊瑚の間をスダレチョウチョウウオなどの美しい魚たちが泳いでいきます。南洋の魚たちが泳ぐ筒状の水槽は、まるで宝石箱のよう。このエリアにはヒトデやナマコに触れられるタッチプールもあり、子供たちの人気を集めています。
鮮やかなチョウチョウウオをはじめ、美しい魚がいっぱい
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ヒトデやナマコに触れるタッチプール
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ベンガル湾とラッカディブ海 ~マングローブの林の生き物
次はインド東部および南西部の海のエリア。マングローブの林を再現した水槽に、トビハゼ、テッポウウオ、ヒメツバメウオなどが潜んでいます。砂から頭部を出すチンアナゴの群れも、まるで植物の一部に見えて面白い光景です。海の森の中に棲む生き物たちの、独特の暮らしぶりをご覧ください。
マングローブの林を再現した水槽
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砂から頭部を出すチンアナゴが植物の一部のよう。
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オーシャン・ジャーニー ~不思議なタカアシガニ、オウムガイ、クラゲたち
次のエリアでは、バンドウイルカやタカアシガニ、オウムガイやクラゲなどの、独特の海洋生物が展示されています。寒冷な海に棲むタカアシガニやオウムガイは、不思議な造形美が見学客の人気の的。クラゲの一大展示ゾーンも見事で、フワフワと舞うミズクラゲや、名前のとおりの触手を持つライオンタテガミクラゲなどは、幻想的な姿で見る者を魅了します。
ゆっくり泳いでいるオウムガイ。独特の造形美。
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幻想的に浮遊するミズクラゲ
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オープン・オーシャン ~館内最大の目玉! 幅36メートル、マンタが泳ぐ大パノラマ水槽
オーシャン・ジャーニーのエリアを抜けると、目の前に巨大なパノラマ水槽が開けます。瞬時に海に潜ったかのような錯覚を抱かせるこの水槽は、幅が36メートル、高さが8.3メートル。世界最大級の海洋水槽です。
悠々と泳いでいるのは、全長8メートルにもなるマンタ(オニイトマキエイ)や2メートルを超えるハタ、ナポレオンフィッシュやトラフザメなど。どこまでも飛ぶように泳いでいくマンタは、特に見応え抜群です。無数のツムブリが一斉に同じ方向へ泳いでいく様子も迫力満点。水槽の前には、円形劇場のような広々とした座席スペースがあります。見渡す限りの魚たちの世界を、座りながらじっくりと眺めてみてください。
全長36mのパノラマ水槽。海底散歩の気分を味わえます。
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飛ぶように泳いでいく巨大なマンタ
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目の前に迫って来るマンタたち。圧巻!
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水底にはトラフザメなどが潜んでいます。
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アラビア湾から紅海、東アフリカの海へ ~サンゴ礁の楽園
パノラマ水槽を見終えたら、再び入口の方向に向かって、今まで歩いてきた道と逆サイドの順路を歩いていきます。オープン・オーシャンの後は、アラビア海、紅海、東アフリカの海の生き物たちを展示するエリアが続いています。澄んだ暖かい海水の中東の海には美しいサンゴ礁が生育し、世界でも最大級の魚たちの楽園があるそうです。ご存じでしたか? アラビア海の水槽にはハタタテダイ、アラビアン・エンジェル・フィッシュなどが、紅海の水槽にはゴールデンバタフライフィッシュ、キンギョハナダイなどが珊瑚のまわりを泳いでおり、華やかです。東アフリカのエリアには、淡水魚のアフリカカワスズメなどがいます。
ゴールデンバタフライフィッシュ等が泳ぐ中東地域の水槽
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サンゴ礁に生息するケショウフグ
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南シナ海 ~ミノカサゴやイセエビが棲む豊かな海
シンガポールから台湾海峡の間に広がる南シナ海は、多くの船が行き交う海域ですが、ここにもたくさんの海洋生物が生息しています。このエリアの水槽では、ライオンのたてがみのような長いヒレを持つ、ミノカサゴ(英名は姿のとおり「ライオンフィッシュ」)などが人気。大型のエビ類も数多く展示されており、イセエビ属の最大種であるニシキエビなどは、思わず食べたくなっちゃいます。岩陰から伸びる触覚を頼りに探してみてください。
岩陰に潜むニシキエビ。長い触覚が印象的。
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展示している生物について解説する案内板
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サメの海 ~トンネルの海を悠々と泳ぐサメたち
シー・アクアリウムの最後のエリアは、サメが展示されているトンネル水槽。アクリル張りのトンネルの左右と真上を、シャープなサメたちが泳ぎまわっています。あまりに近くで見られるので、恐ろしいくらい! 頭の左右が金槌のように出っ張っているシュモクザメ(英名はハンマーヘッド・シャーク)、気性の荒いツマジロ、絶滅が危惧されているメジロザメなどが颯爽と泳ぐ姿は、いくら見ていても飽きません。特に、サメのお腹が見られる天井の角度は面白く、つい首が痛くなるほどトンネルを見上げてしまいます。海の王者たちの勇壮な姿をお楽しみください。
トンネル水槽の天井を悠々と泳ぐサメたち
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絶滅が危惧されているメジロザメ
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近くで見ると案外かわいいサメの目
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頭の左右が金槌のような形をしているシュモクザメ
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見どころが満載のシー・アクアリウムは、時間に余裕を持って見学することをオススメします。最大の目玉のオープン・オーシャンのエリアは長居する人が続出ですが、冷房がよく効いているので、カーディガンなど羽織るものを持っていると安心です。以上、シンガポールナビでした。