熱帯雨林と野生動物の宝庫、ウビン島に行ってきました

ヤシの木やマングローブが茂る大自然の島をサイクリングで満喫!

こんにちは、シンガポールナビです。高層ビルが立ち並ぶ近代都市のイメージが強いシンガポールですが、本島から船でわずか10分の距離に、手つかずの熱帯雨林に覆われた憩いの楽園「ウビン島」があります。今日はこの島をサイクリングで回りながら、南国のダイナミックな自然の美しさをご紹介します。

1.フェリー・ターミナルから船に乗ってウビン島へ

ウビン島へ行くには、シンガポール本島北東部のチャンギ・ポイント・フェリー・ターミナルから船に乗ります。ターミナルの地下一階へ降りると「ウビン島へ行く人はこちらへ」と船の係の人が案内してくれますので、誘導にしたがって発着所から船に乗りましょう。事前にチケット等は購入せず、船の中で片道料金の2.5 Sドルを直接船長さんに渡します。お釣りがないことがありますので、あらかじめ小銭を用意しておいてくださいね。10分ほどで船はウビン島に到着します。
フェリー・ターミナルの建物

フェリー・ターミナルの建物

船に乗り込んでから運賃を払います。

船に乗り込んでから運賃を払います。

ウビン島に到着

ウビン島に到着

2.レンタサイクルで足を確保しよう

ウビン島を回るには自転車がオススメ。島内全体に整備されたサイクリングコースがはりめぐらされており、ヤシの木陰を走るのは気分爽快です。ウビン島の到着ゲートをくぐると、レンタサイクルのお店がずらり。様々なタイプの自転車がありますが、島内にはゆるやかな坂道が多いので、できるだけギア付きのものを借りましょう。レンタサイクルのお店では、サイクリングロードや見どころが書かれた島内マップをもらえます。方角や道順を頭に入れたら、いざ出発!
ウビン島の到着ゲート

ウビン島の到着ゲート

ゲートを抜けるとレンタサイクル店が。

ゲートを抜けるとレンタサイクル店が。

様々なタイプの自転車が揃っています。

様々なタイプの自転車が揃っています。

3.採石場跡の池をめぐる西側ルート

今回は船の発着所がある「ウビン村」を起点に、まず西側の池をめぐり、さらに東側の海岸へ出るルートを走ってみます。
ウビン村から一番近い見どころは「ペカン・クォリー」。英国がシンガポールに進出して以来、ウビン島は花崗岩の採石地として知られてきました。1970年代に採石場は閉鎖されましたが、その跡に水がたまったものが、今では大きな五つの池となっています。ペカン・クォリーは熱帯雨林の影を映す、美しい青い池。畔に自生しているノゲイトウの花々も、燃えるようなマゼンタピンクが鮮やかです。
熱帯雨林の中のサイクリングロードを走ります。

熱帯雨林の中のサイクリングロードを走ります。

畔に咲くノゲイトウの花が鮮やかなペカン・クォリー

畔に咲くノゲイトウの花が鮮やかなペカン・クォリー

ペカン・クォリーの後はさらに西へ走り、ケタム・クォリーを目指します。これも採石場跡の巨大な池ですが、コースの途中でサイクリングロードは舗装されていない道になります。草地の中をえんえんと伸びる、地面むき出しの坂を上るのがキツイ! しかし根性で自転車を漕いでいくと、終点ではすばらしい景色に出会えます。湖のような大きな池に、切り立った岸壁と樹木が影を落とす様子はダイナミック。池の反対側に目を移すと、海を越えた対岸に、シンガポール本島の摩天楼もかすかに見えます。大自然と近代都市の対照的な姿を、一度に楽しめる場所です。
切り立った崖が影を落とす広大な池、ケタム・クォリー

切り立った崖が影を落とす広大な池、ケタム・クォリー

草地の中の坂を上ってくると、終着点には絶景が…

草地の中の坂を上ってくると、終着点には絶景が…

4.野生動物に遭遇!

ウビン島は野生動物の宝庫。この日は東側の海岸へ出るサイクリングコースを走っている途中に、カニクイザルの集団に遭遇しました。木の上で追いかけっこをしたり、仲間同士で毛繕いをしたりする様子が何とも微笑ましいのです。サイクリング中に「キキッ」という鳴き声が聞こえたら、しばし足を止めて道の両側の森の中をじっと観察してみてください。目が慣れてくると、実はたくさんのサルがひそんでいることに気がつきますよ。
木の上で遊ぶカニクイザルたち

木の上で遊ぶカニクイザルたち

よく見ると森の中にはカニクイザルがいっぱい

よく見ると森の中にはカニクイザルがいっぱい

さらに東へ向かう道の途中では、小川の岸辺にマレー・ミズオオトカゲをみつけました。一見「ワニ?」と誤解してしまうほど大きいこのトカゲは、なんとコモドドラゴンの仲間。自転車を降りて写真を撮ろうとしたら、すばやく逃げられてしまいましたが…。もしも小川の畔やマングローブの森の中でミズオオトカゲをみつけたら、なるべく脅かさないようにそっと忍び寄ってみてくださいね。

ウビン島には東南アジアに生息する珍しい鳥「サイチョウ」がいることでも有名です。上クチバシにサイの角のような突起を持つことからこの名がついたサイチョウは、体長が1mもある巨大な鳥。この日は残念ながらお目にかかれませんでしたが、もし見る機会があれば、その独特のシルエットにびっくりすること請け合いです。
ミズオオトカゲが潜んでいた小川

ミズオオトカゲが潜んでいた小川

サイチョウの紹介をする島内の看板

サイチョウの紹介をする島内の看板

5.海の上とマングローブの森の中を歩くチェク・ジャワ

島の東側の海岸に出ると、チェク・ジャワという人気のハイキングコースがあります。海岸沿いの海の上に600m、マングローブの森の中に500mのボードウォークが巡らされおり、両方をまわると一時間ほど。海側のボードウォークを歩くと、波間に浮かんでいるような不思議な感覚を味わえます。うまく干潮時に当たると、岩礁に棲むカニやヒトデやイソギンチャクが見られて、さらに楽しい散策になります。
海の上に巡らされたボード・ウォーク

海の上に巡らされたボード・ウォーク

海中から木が見えてきて、マングローブの森が近づく。

海中から木が見えてきて、マングローブの森が近づく。

マングローブの森のボードウォークを歩くと、地表に顔を出した複雑な根に、目が釘付けになります。マングローブが生えている遠浅で汽水の湿地帯では、泥がたまって酸素が不足するため、こんな具合に根が地表に出てくるんですって。さらにボードウォークを進んでいくと、ニッパ椰子の群生地になります。マングローブの湿原に近接して生えるこの椰子の根元には、よく見るとゴツゴツした茶色い大きな実が付いています。この実はアタップチーと呼ばれており、シンガポールのローカルデザートの「アイスカチャン」(いわゆるかき氷)の中に入っていることで有名。皮をむくと核の部分は半透明の白いフルーツで、食べたらまるでナタデココのような食感なんですヨ!
根が地表に張り出した、マングローブの森

根が地表に張り出した、マングローブの森

ボードウォークの周囲には、ニッパ椰子の群生が。

ボードウォークの周囲には、ニッパ椰子の群生が。

ニッパ椰子の実「アタップチー」

ニッパ椰子の実「アタップチー」

コースの途中にある展望台から眺めた熱帯雨林

コースの途中にある展望台から眺めた熱帯雨林

6.宝石のような水の色に魅入られる

チェク・ジャワからウビン村への帰路では、バライ・クォリーという採石地跡の池を通ります。この水の色がまるで宝石のような美しさ! 明るいブルーグリーンの水はキラキラと透き通り、見つめていると、おとぎ話に出てくる魔法のかかった湖のような気すらしてきます。チェク・ジャワを一周して疲れた足を休めて、いつまでも見入っていたいような池です。記念撮影の場所としてオススメ。
採石地跡の大きな池、バライ・クォリー

採石地跡の大きな池、バライ・クォリー

透明感のあるブルーグリーンの水の色が印象的

透明感のあるブルーグリーンの水の色が印象的

7.海の見えるシーフードレストランでお食事を

サイクリングコースを一周して、出発点のウビン村に帰ってきたら、お腹がペコペコ。レンタサイクルのお店に自転車を返したら、近くにある海の見えるシーフードレストランでお食事にしましょう。屋外のテントにテーブルが並べられたレストラン「シーズンライブシーフード(海味活海鮮)」では、海風に当たりながら新鮮な海の幸を使った料理を食べることができます。全体的にさっぱりした味の料理は、疲れた体にぴったりでおいしい! 汗をかいた後に飲むタイガー・ビールが、またたまらないおいしさなのです。
海の見えるシーフードレストラン

海の見えるシーフードレストラン

いろいろな国のお客さんが食事中

いろいろな国のお客さんが食事中

さっぱり味のシーフードがおいしい。

さっぱり味のシーフードがおいしい。

天候や時間によって大きく表情を変えるウビン島では、どんな動物や花に遭えるかはその日の運しだい。ゆっくり島内をまわって、南国の大自然を味わってみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-11-11

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