「シンガポール・ビエンナーレ2013」開幕!来年2月16日まで

シンガポール各地で2年に1度の現代アートの祭典「シンガポール・ビエンナーレ2013」が始まりました。

こんにちは!シンガポールナビです。日本はすっかり芸術の秋ですね~。「常夏の国」というイメージのシンガポールですが、中秋節のお祭りも終わり、雨季に入って比較的涼しい日が続く今は「秋」の気分。そんな季節にぴったりのイベント「シンガポール・ビエンナーレ2013」が10月26日から始まりました。
今年のテーマは「もしも、世界が変わったなら(If the World Changed)」。32カ国から参加した82名のアーティストたちによる個性的な作品を観に行こう!

2年ごとに開催される現代アートの祭典

ハート型をした赤い「サガの実」を4000kg以上も積み上げた作品。別名「ラブシード」とも呼ばれる東南アジアの女性に人気のある木の実。作品名はヒンディー語で4つめのチャクラ(心臓)を意味する「Anahata」

ハート型をした赤い「サガの実」を4000kg以上も積み上げた作品。別名「ラブシード」とも呼ばれる東南アジアの女性に人気のある木の実。作品名はヒンディー語で4つめのチャクラ(心臓)を意味する「Anahata」

美術館の中心部に展示されていて、部屋にはトクトクと心臓音が響いています。

美術館の中心部に展示されていて、部屋にはトクトクと心臓音が響いています。

「ビエンナーレ(biennale)」とは、2年に1回開かれる国際芸術祭のこと。語源になったイタリアの「ヴェネツィア・ビエンナーレ」は100年以上の歴史があり特に有名ですね。ひとつの町に世界中からアーティストが集まり、美術館や博物館などを中心に野外にもアート作品が出現。町おこしも兼ねて世界各地で行われ、日本でも神戸や琵琶湖などで開催されています。

今年のテーマは「もしも世界が変わったなら」

シンガポールでは2006年に始まり、4回目を迎えました。今年のテーマは「もしも世界が変わったなら(If the World Changed)」。13ヵ国から参加した82名のアーティストが現代社会を見つめ直し、理想的な世界を表現しています。

コンピュータを駆使した映像作品から、屋外に設置された大型インスタレーションまで、さまざまな素材を使った個性的な作品が勢ぞろい。それぞれのアーティストが自国の歴史や文化を踏まえて、「こんな世界に住みたい」という現在や未来を描いています。
「シンガポール美術館」の前で起き上がりこぼしの人形たちがお出迎え。困難にあっても何度でも立ち上がる姿をユニークに表現したベトナムの作品。揺らしてみよう!

「シンガポール美術館」の前で起き上がりこぼしの人形たちがお出迎え。困難にあっても何度でも立ち上がる姿をユニークに表現したベトナムの作品。揺らしてみよう!

都心部のブラス・バサー(Bras Basah)とブギス(Bugis)が主な会場となっていて、「国立博物館(National Museum of Singapore)」、「シンガポール美術館(Singapore Art Museum)」、「プラナカン博物館(Peranakan Museum)」を中心に、「国立図書館(National Library)」や「フォート・カニング・パーク(Fort Canning Park)」など、計9カ所に作品が置かれています。
MRTブラス・バサー駅から徒歩2分の「国立博物館」 MRTブラス・バサー駅から徒歩2分の「国立博物館」

MRTブラス・バサー駅から徒歩2分の「国立博物館」

東南アジアの「今」がわかる展示内容

マレーシア・サバ州のロングハウスと呼ばれる伝統家屋での暮らしを描いたのどかな風景は「変わらないでほしい世界」。

マレーシア・サバ州のロングハウスと呼ばれる伝統家屋での暮らしを描いたのどかな風景は「変わらないでほしい世界」。

今回は「東南アジア」にスポットを当てていて、シンガポール出身のアーティストが27名と最多、インドネシア(10名)、マレーシア(9名)、ベトナム(9名)、タイ(8名)、フィリピン(8名)など東南アジア諸国からの参加アーティストが全体の9割以上を占めています。ラオス、ミャンマー、カンボジアなど、普段なかなか見られない国々の現代アートに触れることができるのも魅力。
カンボジアの作品。アンコールワット遺跡にある神話の一場面を迷彩柄のぬいぐるみで再現。

カンボジアの作品。アンコールワット遺跡にある神話の一場面を迷彩柄のぬいぐるみで再現。

伝統的な漁師のボートに積まれているたくさんのボトル。中には現役の囚人たちの夢や目標が書かれた紙が入っています。 伝統的な漁師のボートに積まれているたくさんのボトル。中には現役の囚人たちの夢や目標が書かれた紙が入っています。

伝統的な漁師のボートに積まれているたくさんのボトル。中には現役の囚人たちの夢や目標が書かれた紙が入っています。

インドネシアの「コンビニ」をパロディ化した露店。これも作品です。

インドネシアの「コンビニ」をパロディ化した露店。これも作品です。

日本の作品にも注目!

日本のテクノロジーデザイン集団「チームラボ」による映像作品も、当地のメディアや来場者たちの関心を集めています。暗い部屋の中でホログラムに映し出された56体の人間や動物たちが、お囃子(はやし)の音に合わせて踊り、楽器を奏でる不思議空間。来場者の存在や動きに反応しながら、1体1体が共鳴し合って一体感を作り上げています。これは日本古来の「阿波踊り」にヒントを得ているそう。「秩序がなくともピースは成り立つ(Peace Can Be Realised Even Without Order)」というタイトルには、「法や圧力によってではなく、違う方法で生みだされる調和によって平和を成り立たせることができるのでは」というメッセージが込められています。
「チームラボ」のメンバーの方々が会場にいらっしゃいました。 「チームラボ」のメンバーの方々が会場にいらっしゃいました。

「チームラボ」のメンバーの方々が会場にいらっしゃいました。

ほかにも、日本人とシンガポール人のデュオ 「Kazunori Takeishi & Lim Shing Ee」 によるマングローブの木をモチーフにした彫刻や、オーストラリア在住の 「Ken + Julia Yonetani」による原発をテーマにした幻想的な光のインスタレーションなどが展示されています。

ガイドツアーに参加してみるのもおススメ!

ミュージアム会場では、英語・中国語・日本語によるボランティアガイドツアーや、キュレーター(学芸員)によるツアーも行われています。1時間程度で見どころを押さえて案内してくれるのでおススメ。
ベトナム人作家による指型の椅子のオブジェ。反戦のメッセージが込められています。

ベトナム人作家による指型の椅子のオブジェ。反戦のメッセージが込められています。

日本語ガイドツアー
「シンガポール美術館」: 月曜~土曜 10:30より
「国立博物館」: 火曜、木曜 、第3・第4土曜 13:00より

ぜひ気軽に足を運んでみてくださいね

中にも入れる!インドネシアの作品。

中にも入れる!インドネシアの作品。

各ミュージアムの開館時間は10:00~19:00(最終入館18:15)
入場料金は一般10Sドル、学生と60歳以上 5Sドル

フォート・カニング・パーク、国立図書館、ウォータールーセンター、Our Muesum@ Taman Jurongおよび、ミュージアムの屋外にある作品の鑑賞は無料です。


2014年2月16日までやっているので、この期間にシンガポールを訪れる機会があれば、ぜひビエンナーレに足を運んでみてくださいね! 以上、シンガポールナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-11-20

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