歴史と文化に彩られた島、ペナン島に行ってきました!

マレー半島の西岸に浮かぶ「東洋の真珠」ペナン島。世界遺産の街、ジョージ・タウンを歩いてみました。

こんにちは、シンガポールナビです。シンガポールは小さな都市国家ですが、東南アジアのほぼ中心に位置するため、周辺諸国へ手軽に遊びに行ける地の利の良さが魅力。今日は隣国マレーシアのマラッカ海峡に浮かぶ、歴史と文化が息づくペナン島に行ってきましたので、その様子をご紹介しましょう。

バジェット・ターミナルから飛行機で約1時間、ペナン島へ

シンガポールからペナン島へは、飛行機で1時間少々で到着。格安航空会社のタイガー・エアウェイズやエアアジアを使うと超おトク。これらの飛行機は、格安航空会社向けに整備されたチャンギ空港の「バジェット・ターミナル」から出発します。設備は簡素なターミナルですが、出発ゲートの前にはカフェテリアや小規模な免税店も並んでいます。
ペナン国際空港に到着したら、荷物をピックアップしてタクシーカウンターへ。市中へのタクシーは定額制になっていて、先にカウンターで乗車チケットを購入します。タクシーに乗り込んでおよそ35分、車はペナン島西部にあるマレーシア第2の都市、ジョージタウンに到着します。
バジェット・ターミナルの出国ロビー

バジェット・ターミナルの出国ロビー

タイガー・エアウェイズのエアバス

タイガー・エアウェイズのエアバス

ペナン国際空港のタクシーカウンター

ペナン国際空港のタクシーカウンター

世界遺産の街、ジョージタウン

マレー半島の西側、マラッカ海峡に位置するペナン島は、日本ではビーチ・リゾートの島として知られています。しかしこの島の真の魅力は、東西貿易の拠点として栄えた、歴史と文化を色濃く残す街並みにあります。ペナン島の中心部であるジョージタウンでは、英国が支配していた時代のコロニアル建築群、鮮やかなプラナカン様式のショップハウス、モスクやヒンドゥー教寺院、中国寺院と英国教会が一度に並ぶ通りなど、多彩な文化背景を持った建造物を見ることができます。ジョージタウンはマレー半島の西海岸南部のマラッカとともに、「マラッカ海峡の歴史都市群」として、2008年に世界遺産に登録されました。南国のまぶしい日差しのもと、歴史散策を楽しむのに最適な街です。
英国統治時代を色濃く残す街並み

英国統治時代を色濃く残す街並み

壮麗な中国寺院の天后宮

壮麗な中国寺院の天后宮

瀟洒なプラナカン建築群

瀟洒なプラナカン建築群

プラナカン建築の豪邸「チョンファッツィ・マンション」に宿泊

ペナンにはプラナカン建築が数多く残っています。プラナカンとは中国系移民の子孫のことで、彼らは現地の女性と結婚し、中国やマレーの文化とヨーロッパの文化をミックスさせ、独自の生活スタイルを築きました。プラナカン建築は明るいパステルカラーの外壁を持ち、東洋と西洋の折衷様式であることが特徴。中国の屋根瓦のひさし、中文で彩られたスイングドア、ゴシック調の鎧窓、西洋のカラフルなタイルの床など、東洋と西洋の建築要素が大胆に取り込まれています。
裕福なプラナカンが多く存在したペナンの中でも、特に豪華なプラナカンの屋敷として有名なのが、チョンファッツィ・マンション。別名「ブルー・マンション」とも呼ばれ、鮮やかなインディゴ・ブルーの壁が印象的です。この建物は「東洋のロックフェラー」の異名を取っていた、チョンファッツィの屋敷として1880年に建てられました。現在はホテルとして使われているため、ペナン滞在中はここに宿泊! 豪奢な応接間、精緻な透かし彫りの間仕切り、その向こうに広がる中庭とヴィクトリアンスタイルの回廊、つる草模様で彩られた螺旋階段、アールヌーボーのステンドグラスなどの美しさを満喫しました。屋敷の至る所にはクッションの並んだ長椅子が置かれており、建物の装飾を眺めながらのんびりと寝そべる時間は、宿泊者ならではの楽しみです。
チョンファッツィ・マンション

チョンファッツィ・マンション

応接間にある螺鈿のテーブルセット

応接間にある螺鈿のテーブルセット

屋敷の至る所に置かれている長椅子

屋敷の至る所に置かれている長椅子

応接間の奥にある、精緻な透かし彫りの間仕切り

応接間の奥にある、精緻な透かし彫りの間仕切り

間仕切りの向こうには中庭と美しい回廊が広がっています。

間仕切りの向こうには中庭と美しい回廊が広がっています。

多民族の文化が共存するマスジット・カピタン・クリン通り

東西貿易の拠点として栄えたペナン島には、マレー系、中国系、インド系など様々な人々が住んでいます。ジョージタウンに伸びるマスジット・カピタン・クリン通りには、それらの人々が信仰する寺院と、英国植民地時代の教会が建っています。19世紀初めにイスラム教徒の商人によって設立されたカピタン・クリン・モスク、ヒンドゥー教の神々の彫像で彩られたマハ・マリアマン寺院、ペナン最古の中国寺院である観音寺、1818年に英国国教会として建てられたセント・ジョージ教会。南北に伸びる800メートルほどの道路を一歩きするだけで、東西の様々な文化を感じることができます。多民族が共生する、ペナンの懐の深さが表れている光景です。
堂々としたたたずまいのカピタン・クリン・モスク

堂々としたたたずまいのカピタン・クリン・モスク

色鮮やかな塔門が印象的なマハ・マリアマン寺院

色鮮やかな塔門が印象的なマハ・マリアマン寺院

祈る人々の線香の煙が絶えない観音寺

祈る人々の線香の煙が絶えない観音寺

純白の尖塔が美しいセント・ジョージ教会

純白の尖塔が美しいセント・ジョージ教会

英国統治時代の面影を残すコーンウォリス要塞周辺

ジョージタウンでは、あちこちに英国の植民地だった時代の面影が見られます。街の北東端にあるコーンウォリス要塞は、英国東インド会社のフランシス・ライト提督が、最初にペナンに上陸した場所に建造されたもの。煉瓦造りの壁に囲まれ、海に向かって設置された大砲が要塞を守っています。コーンウォリス要塞の周囲には、コロニアル様式の華麗な建築物が今も点在。コタ・ラマ公園をはさんで並ぶペナン市庁舎やタウンホール、ビクトリア・メモリアル時計台が建つパンタイ通りの金融街などに、18世紀後半から始まった植民都市開発の面影をうかがうことができます。大英帝国華やかなりし頃の力の大きさが伝わってくる地域です。
コーンウォリス要塞の前に広がる海

コーンウォリス要塞の前に広がる海

要塞の敷地に立つフランシス・ライト像

要塞の敷地に立つフランシス・ライト像

要塞に置かれた大砲

要塞に置かれた大砲

白亜のペナン市庁舎

白亜のペナン市庁舎

ビクトリア・メモリアル時計台

ビクトリア・メモリアル時計台

コロニアル建築が並ぶパンタイ通り

コロニアル建築が並ぶパンタイ通り

プラナカンの華やかな暮らしぶりがわかる博物館、ペナン・プラナカン・マンション

パンタイ通りを南へ直進して、ゲレジャ通りを右へ曲がると、明るいグリーンの建物が現れます。これはプラナカン文化を紹介する博物館「ペナン・プラナカン・マンション」。19世紀後半に中国系の富豪・チュンケンキーの住居として建てられたもので、プラナカン様式の屋敷そのものが豪奢な展示物になっています。玄関ホールに入ると陽光の差す中庭が広がり、優美な柱に取り巻かれた回廊が見事。英国製のタイルや中国風の精緻な木彫りで彩られた室内には、1000点を越すプラナカンの日用品のコレクションが並んでいます。パステルカラーのプラナカン陶器、芸術的なビーズ刺繍、繊細なサロン・ケバヤや宝飾品類など、目を見張るほどゴージャスなものばかり。プラナカンの華やかな暮らしぶりに、うっとり見とれてしまいましたよ。
入り口の先には、回廊に取り巻かれた中庭が広がります。

入り口の先には、回廊に取り巻かれた中庭が広がります。

重厚な室内と、間仕切りの先に見える中庭

重厚な室内と、間仕切りの先に見える中庭

螺鈿で装飾された豪華な椅子

螺鈿で装飾された豪華な椅子

プラナカン陶器の「カムチェン」

プラナカン陶器の「カムチェン」

優美なラインを描くサロン・ケバヤ

優美なラインを描くサロン・ケバヤ

グルメの島、ペナンの食事

ペナン島はマレーシアの中でも評判の美食の島。豊かな海と森林で獲れた食材は新鮮で、マレーシア、中国、インドなどの料理の長所を取り入れたメニューは深い味わいに富んでいます。屋台街のお手頃料理から、複雑な調理法のプラナカン料理まで、何でもおいしいのがたまらない! 

まずは地元客から観光客までにぎやかな、屋台街に行ってみましょう。レイス通りにある巨大な屋台街「レッド・ガーデン」にはライブショーのステージもあり、夜どおし大勢の客でにぎわいます。ここでまず試したいのはペナン・ラクサ。魚のダシにトウガラシやタマリンドの入ったスープとともに、もちもちしたビーフンを味わいます。食べた瞬間は強い酸味を感じますが、これが食べれば食べるほどクセになるさわやかさ。ほど良いピリ辛味が食欲を刺激して、またたく間にたいらげてしまいました。エビの出汁が利いた麺料理の、ホッケンミーもオススメです。
巨大な屋台街のレッド・ガーデン

巨大な屋台街のレッド・ガーデン

酸味がたまらないペナン・ラクサ

酸味がたまらないペナン・ラクサ

エビの出汁が利いたホッケンミー

エビの出汁が利いたホッケンミー

プラナカン文化の栄えたペナン島では、むろんプラナカン料理もはずせません。今回はガーニー地区にある一軒家のプラナカン・レストラン「プルット・ルーマー」を訪れてみました。コロニアル様式の華やかな邸宅で出されるプラナカン料理は、伝統的でありながら親しみやすい味。ペナン風チキン・カレーのカリー・カピタン、エビの風味がたまらないサンバル・ウダン、愛らしい生春巻きのポピアなど、どれも味わい深く洗練されています。中でもおいしかったのが、ペナン名物のホン・バッ。プラナカン版の豚の肉じゃがで、やわらかな食感と染みこむような旨味にハマります。手間暇をかけて作られたプラナカン料理は、まるでお皿に載った芸術。白いご飯との相性がいいところも、日本人の好みにぴったりです。
プルット・ルーマーの瀟洒な外観

プルット・ルーマーの瀟洒な外観

手間をかけて作られたプラナカン料理

手間をかけて作られたプラナカン料理

ペナン名物のカリー・カピタン

ペナン名物のカリー・カピタン

シンガポールから手軽に遊びに行ける、エキゾチックな島・ペナン島。世界遺産に登録されてますます注目が集まるジョージ・タウンに、ぜひ足を運んでみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。
関連タグ:世界遺産リゾート歴史

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-06-14

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