お祭りと共に生きるシンガポールの、ダイナミックなデコレーション

町をまるごとテーマパークにする、シンガポールのデコレーション・パワーって……?

こんにちは、シンガポールナビです。本日は、シンガポールのお祭りを彩る、デコレーションについてご紹介します。
中華系・マレー系・インド系の国民と、多数の外国人が住むシンガポールでは、一年中それぞれの民族のお祭りをやっています。中華正月、ベサック・デー(釈迦誕生祭)、中秋節(中秋の名月)、ハリラヤ・プアサ(イスラム教徒の断食明けのお祭り)、ディーパバリ(ヒンドゥー教徒のお正月)、クリスマスなどの伝統的な祝祭行事に加えて、F1シンガポールグランプリやグレート・シンガポール・セール、ナショナル・デー(建国記念日)などのイベントも、国を挙げて大がかりに行われます。
何しろ一年中真夏の国なので、こうしたイベントでメリハリをつけることによって、季節の経過を上手に演出しているのです。赤道直下に生きる国の知恵とも言えるでしょう。
ディーパバリを祝うトリル・インディアの灯り(2009.9)

ディーパバリを祝うトリル・インディアの灯り(2009.9)

F1グランプリの旗で飾られたマーライオン(2009.9)

F1グランプリの旗で飾られたマーライオン(2009.9)

これらのイベントで目を引くのが、大通りを彩るデコレーション。
特にクリスマスと中華正月のデコレーションは、そのダイナミックさに目を見張ります。まるで町全体がディズニーランドになったかのような、巨大なキャラクターのオブジェやイルミネーションでいっぱい。とにかく規模と大きさがハンパじゃないのです。熱帯の国・シンガポールの街路樹のように、デコレーションも「大きく、高く」が当たり前。はじめてシンポールを訪れた人が、これらのディスプレイを見ると、その壮大なスケールに圧倒されます。
オーチャード・ロードに掛かるXmasアーチ(2009.11)

オーチャード・ロードに掛かるXmasアーチ(2009.11)

オーチャード・ロードの歩道の巨大サンタ(2009.11)

オーチャード・ロードの歩道の巨大サンタ(2009.11)

クリスマスのオーチャード・ロードは、サンタクロースやトナカイの巨大なオブジェのオンパレードです。キャラクター商品を愛するシンガポーリアンの気質を反映してか、やたらと可愛くてユーモラスな像たちが、これでもかこれでもかと並んでいます。この時期のオーチャード・ロードの歩道は、オブジェたちに占領されて歩きにくくなるほど。雪だるまのオブジェがぞろぞろと並ぶ様子には「この暑い国でそれは無いだろう……」と笑っちゃいますけどネ。
タングリン・ロードからオーチャードロードを抜ける2kmほどの区間には、カラフルな光のアーチが掛かり、週末の夜などはカメラを持った人々で大混雑になります。神戸のルミナリエや東京のミレナリオを彷彿とさせますが、シンガポールのそれは「オシャレで上品」というよりも、「とにかく楽しく! とにかく派手に! 目立ったもん勝ち!」というあっけらかんとした明るさに満ちています。こんなところにも、南国の気質が反映されているんですね。
このオーチャード・ロードのライトアップ・デコレーションは、実は日立グループがスポンサーです。1991年からずっとメインスポンサーとして、シンガポールのクリスマスを盛り上げているのです。
オシャレなトナカイのオブジェが並ぶ歩道(2009.11)

オシャレなトナカイのオブジェが並ぶ歩道(2009.11)

伊勢丹オーチャード前の雪だるまたち(2009.11)

伊勢丹オーチャード前の雪だるまたち(2009.11)

オーチャード・ロードの光のデコレーション(2009.11)

オーチャード・ロードの光のデコレーション(2009.11)

Xmasイルミネーションがトンネルのよう(2009.11)

Xmasイルミネーションがトンネルのよう(2009.11)

オーチャード・ロード沿いの各ショッピング・センターも、それぞれ美しいクリスマスツリーを立てて、凝ったデザインのデコレーションを競い合います。このクリスマスツリーがまたでっかい! ビル3階分の高さはあります。どこのショッピング・センターのデコレーションが一番すてきか、市民の投票で決めるコンテストもあります。
IONのクリスマスツリー。中に入れました(2009.11)

IONのクリスマスツリー。中に入れました(2009.11)

パラゴンのクリスマスツリー。蝶が華やか(2009.11)

パラゴンのクリスマスツリー。蝶が華やか(2009.11)

クリスマスが終わると、中華正月のデコレーションがお目見えします。
これがまた派手! どこの地区にも真っ赤な中華飾りや干支の動物を象ったオブジェが見られますが、特にチャイナタウンを抜けるニューブリッジ・ロードは、道の上に新年を祝うモチーフのアーチが掛かって、目を奪われます。巨大なオレンジ(みかん)や桃の花のアーチや、干支の動物や大黒天のオブジェなど……
「なぜお正月に、オレンジが関係あるの?」と言われそうですが、シンガポールでは中華正月にみかんを贈りあったり、金柑の鉢を家庭に飾ったりする習慣があるのです。柑橘の「橘」の俗字が「桔」だそうで、転じて「吉」の意味になるそうです。オレンジ色を黄金に見立てて「お金持ちになれますように」と祈る意味もあるんですって。明るいオレンジ色のデコレーションは、赤道直下の強い色彩にマッチしていて「なるほど、南国のお正月だなぁ」と納得させられます。
中国雑貨の土産物屋が並ぶパゴダ・ストリートも、この時期は新年を祝うデコレーションが華やかに施されます。店舗では、家庭向けの真っ赤な正月飾りや、干支のぬいぐるみが飛ぶように売れていきます。一般市民も、身の周りに季節の飾り付けをすることが大好きなのです。
ニューブリッジ・ロードの、オレンジのアーチ(2009.2)

ニューブリッジ・ロードの、オレンジのアーチ(2009.2)

巨大な大黒様が「新年快楽!」(2009.2)

巨大な大黒様が「新年快楽!」(2009.2)

2010年の中華正月は桃のデコレーション(2010.2)

2010年の中華正月は桃のデコレーション(2010.2)

常夏のシンガポールに、桃並木が出現!(2010.2)

常夏のシンガポールに、桃並木が出現!(2010.2)

シンガポールのクリスマスや、中華正月のデコレーションは、実施期間が長いのも特徴です。クリスマスは11月の半ばから1月の初旬まで、中華正月は1月の下旬から3月の初旬まで、それぞれ2か月前後も華やかなオブジェやライトアップを楽しむことができます。だから、旅行客の皆様の目にも触れる確率が高い!
シンガポールへお越しの際には、ぜひイベント・カレンダーをチェックしてみてください。巨大なオブジェやアーチの下をくぐり抜けたら、まるで遊園地か、おとぎの国に紛れ込んだような気分がすること請け合いですヨ。
以上、シンガポールナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-04-24

ページTOPへ▲

その他の記事を見る